読書感想文
先日本屋さんに行ったら、村上春樹さんの海辺のカフカという長編が文庫化されていました。
ずいぶん昔、なんかの拍子に村上さんの本を読んだのをきっかけに、ほとんど村上春樹さんの本は読んでいます。本屋さんに行くといつも隣に並んでいる村上龍さんの本までついでに読んでしまっています。(笑)
久しぶりに村上さんの長編を読みましたが、(たしか)ノーベル文学賞をとったガルシア=マルケスの「予告された殺人の記録」みたいな、なんていうかグロテスクな表現が目立っていました。
15歳の少年が家出をするところから始まるこの物語、たくさんの(恐らく著者が出会ってなんらかの印象が残った)書物や音楽などを、登場人物が代弁しながら進んでいきます。
空から魚が降ってくるシーンなんかもあって、感想を書くのはすごく難しいです。というか、書くつもりもないんだけど。
今は昔、私が学生だった頃、たしか読書感想文の提出なんてのが夏休みにありました。覚えているのはヘミングウェイの老人と海。あれ? 遠藤周作の海と毒薬かな? まぁいいや、とにかく人から命令されるのが大嫌いな隊長の部下は、読書感想文なるものを書いたわけです。
読書? しませんよ。読めと言われて読むほど私はアイディンティティの薄い人間じゃありません。もちろん読みません。でもしっかり読書感想文を書きます。当時はインターネットで検索なんてありませんでしたから、その書物の解説や(あれば)著者のあとがきなんかを利用して、原稿用紙何枚も感想文を書きました。
そこで学んだことと感謝することがいくつか。
文章を読み取る力がつきました。想像する力がつきました。原文が数行の情報から、原稿用紙数枚分のの感想文を作り出す作家になる事ができました。今から思えば学校の教師に感謝です。
書物を読むことは本当に素敵なことなのに、人から薦められた本を読む苦痛は、一体どこからやってくるのでしょうね。